コピーガードとは 各メディアの複製防止処理のことです。
近年、科学技術の発達により著作物の複製・コピーを行った時の質が非常に高いものになり、また短時間で・安価に複製・コピーが出来るようになったことと、複製・コピーを行う装置が爆発的に普及したことによって世界中で大量の複製された著作物が氾濫するようになってきている(一説によると、世界で出回っているメディアソフトのうち、3本に1本はコピー商品であるとも言われている)。これに伴い、権利者の利権が害されているとの声もある為、著作物に複製を行えないまたは一定以上の複製が行えないようにする技術的な措置が施されることが多くなっています。 一般には「コピーガード」「コピープロテクト」「コピーコントロール」「コピー制御」などと称されることもある。 アナログ信号方式のコピーガード マクロビジョンによるコピーガード 米国Macrovision社が開発したコピーガードシステム。これがかかったビデオソフトをVHSビデオデッキにダビングしても、ダビングされた映像は極端に明るくなったり、暗くなったり、或いは著しく垂直同調が乱れるなどして見るに堪えがたい画像になる。 原理的にはVHSビデオデッキに搭載されているAGC回路(Automatic Gain Control回路=入力された画像の利得(gain)を自動調整し、適切な感度を保つための回路)を誤動作させる映像信号を入れることにより引き起こされる。テレビにはAGC回路が無いので映像が乱れることはない。DVDなどのソフトのパッケージに「DVDプレーヤーをVTR経由でテレビに接続するとと画像が乱れることがあるので直接テレビに接続して下さい」と書かれているのはそういった理由である。マクロビジョン方式のコピーガードはAGC回路を備えるVTRでなければ効果を発揮することが出来ない為、初期の頃のVHSやβ・8ミリビデオではコピーガードは働かない。 最近のDVDレコーダ等はこのマクロビジョン方式のコピーガード信号を検出したら自動的に録画停止になるなどの動作をするものも多くなっている。 マクロビジョン社のコピーガードシステム カラーストライプによるコピーガード 「カラーバーストコピーガード」とも呼ばれる。マクロビジョン規格の一部で、急速に変調したカラーバースト信号をビデオ信号に加えることによるコピーガード。前項の「マクロビジョン」と重複して掛けられることが多い。 このコピーガードがかかったビデオソフトをVHSビデオデッキでダビングすると、録画した映像には細い横線が15本から25本、均等間隔で入る。「カラーストライプ」と呼ばれるのは、色の乗っている部分にのみこの縞模様が見られる為である。
CGMS-A(Copy Generation Management System -Analog)によるコピーガード 映像信号にコピー世代・コピー可否の管理情報をのせ、これに対応するレコーダに相応の動作をさせるというもの。これには著作者の意図に従い「コピーフリー」「コピーワンス」「コピー禁止」などの信号を選択して付加することが出来るようになっている。 アナログの映像信号ではCGMS-Aとして使用される。これにより、コピーが禁止されている映像をHDD・DVD・D-VHSレコーダ(これらに内蔵されたVHSレコーダーを含む。通常はコピー制御対応。)などで録画しようとしても、レコーダ側が自動的に停止するなどして録画することが出来ない。但し、あくまでレコーダ側のみの機能に依存する為、相応の動作をしないレコーダだったり、レコーダとの間でその信号を改ざんされてしまうようなことがあれば無力になる弱さを持つ。 今のところ、アナログ記録方式のレコーダ(従来のVHS専用機など)ではこの影響を受けるものが無い。
デジタル映像信号方式のコピーガード デジタル映像信号にはさらに強力なコピーガードがかけられており、今後ともその種類・バリエーションが増えていくものと考えられる。
コピーワンス番組を録画するときに使われる方式。現在のところDVD-RAM・DVD-RWが対応している。またDVD-Rでも対応するものが出始めているが対応した機器が必要である。 パソコンなどを使ってデータはコピーできても、メディアIDを書き換えられないので復号できず、映像などを見ることは出来ない。この方式により録画されたメディアは、CPRMに対応したAV機器(データ復号を許されている、デバイスキーを持った機器)でなければ見ることが出来ない。パソコンソフトによるメディア鑑賞の場合は、インターネットを経由しての認証が必要になる。 再生時は、このメディアIDと別のMKB(Media Key Block)によって作られる暗号鍵と、AV機器の持つデバイスキーで復号が行われるが、万一暗号鍵が破られてもメディア側のMKBデータを更新してしまえば、そのメディアの復号が行えなくなり、映像を見ることが出来なくなる。 CPRMの仕組み(コピーガード) CSS(Content Scramble System)によるコピーガード 市販のDVD映像ソフトの多くに採用されていたデジタルコピー防止機構。映像データにスクランブルをかけ、CSSデコーダを内蔵したプレーヤでしか再生できないようになっている。 CSSの暗号鍵が破られたことに対する反省からさらにシステムを強化し、万一暗号鍵が破られても対処出来るようにしたものである。固有のメディアIDをBCA(Burst Cutting Area)と呼ばれる、ライティングソフトで書き込めないDVDの最内周部分領域に書き込み、映像データは暗号化して記録する。パソコンなどを使ってデータはコピーできても、メディアIDを書き換えられないので復号できず、映像などを見ることは出来ない。 この方式により録画されたメディアは、CPRMに対応したAV機器(データ復号を許されている、デバイスキーを持った機器)でなければ見ることが出来ない。パソコンソフトによるメディア鑑賞の場合は、インターネットを経由しての認証が必要になる。再生時は、このメディアIDと別のMKB(Media Key Block)によって作られる暗号鍵と、AV機器の持つデバイスキーで復号が行われるが、万一暗号鍵が破られてもメディア側のMKBデータを更新してしまえば、そのメディアの復号が行えなくなり、映像を見ることが出来なくなる。 リージョンコードによるコピーガード DVDを再生することが出来る地域を制限する地域コードのことで、再生したいディスクとプレイヤーのコードが一致しなければ再生することは出来ない。日本のリージョンコードは2となっており、特定の地域でないと再生出来ないことからプロテクトの一種と言える。各地域毎のリージョンコードは次の通り。 0 全世界で再生可 (リージョンフリー)
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